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(最高裁判決)マンション相続税「路線価」で申告し、相続人敗訴

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一般的に、土地や建物などの不動産を相続するとき、その相続税の計算方法として、路線価を使うと定められています。実際に、国税庁が路線価を計算するサイトを公開しています。(https://www.rosenka.nta.go.jp/)

サイト内にも「この財産評価基準は、令和●年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。」との記載があります。

今回の記事を簡単に説明すると、

①相続税対策として2009年に計13億8700万円でマンションを購入。
購入したお父様が2012年に亡くなり、お子さんが相続をされたようです。
その際に路線価で不動産の評価をしたところ、約3億3千万円となり、相続税はゼロとなった。と申告。

②「13億8700万円⇒約3億3千万円(約3年で)になるのは、節税しすぎ」と判断した国税庁が、路線価による計算ではなく、不動産鑑定により改めて不動産を評価。
すると、
✕ 約3億3000万円
〇 約12億7300万円 となり、約3億円相続税を払ってください。と相続人へ追徴課税。

③原告から、
「約3億3000万円はルールにのっとって路線価で計算した。急に約12億7300万円って評価して、追徴課税はないでしょ。それは取り消してください」という裁判が行われていました。

④この判決が最高裁までもつれ、今回最高裁としては、
「相続税対策やりすぎですよ。路線価での計算については認められないです。」という判決が出されました。

実際に、現金で13億円持っていて亡くなった場合、かなりの金額を相続税で支払うことになるため、不動産を購入するなどで、評価額を下げ節税するというのはこれまでも一般的に取られてきていた方法です。
都心部の利便性の高いマンションなどでは、特に路線価は実際の価格より低く評価されるため、不動産鑑定との評価の差が大きすぎ、今回の判決になったといわれています。

今回は「行きすぎた節税」として、路線価は認められないとの判決が出されましたが、
今後としては、どこまでが行きすぎで、どこまでが行きすぎていない普通の節税なのか の判断がむずかしくなるな。。。という課題が残る判決となりました。